前々から気になっていたスチーム加湿器。
スチーム加湿器で良く聞くのが「音がうるさい」とか「電気代が高い」などデメリットに関すること。
実際に象印のスチーム加湿器(EE-DA50)を約2年ほど使ってみたので、正直な感想をレビュー記事として紹介したいと思います。
最新モデル
スチーム式の加湿器を導入
そもそもスチーム式加湿器を導入した理由は、
- 使っている加湿器の能力が弱い
- 子供が生まれたこと
元々、加湿機能が備わった空気清浄機を使っていましたが、はっきり言って能力不足。
加湿をしても「肌や目の乾燥」が改善されず、ホントに加湿されているのか疑ってしまうレベルでした。
やはり空気清浄機におまけ程度に付いている加湿機能では、それなりの能力しか発揮できないことが身をもって感じました。
また、子供が生まれたこともスチーム加湿器を購入したきっかけのひとつ。
喉や肌がデリケートな新生児にとって乾燥は大敵。
乾燥を放置しておくと、風邪や肌荒れの原因になりかねません。
初めての子供ということもあり、「最適な環境を作ってあげたい」そんな思いもありました。
ネットで色々調べていると、スチーム式加湿器は「高い加湿能力」と「沸騰による殺菌効果」を備えているらしく、私が求めている加湿器にピッタリでした。
そこで売り切れが続出しているという象印のスチーム加湿器を導入しました。
象印スチーム加湿器(EE-DA50)の使用感
象印スチーム加湿器(EE-DA50)を約2年間ほど使って感じたことは以下の通り。
象印スチーム加湿器の使用感
- 加湿能力は申し分なし
- ふたを開けて給水するだけ
- 大容量の4Lで就寝中も快適
- 湯沸かし音は大きい
- メンテナンスは超簡単
- 電気代は高い
- 幼児に配慮された機能
加湿能力は申し分なし
これまで加湿機能が備わった空気清浄機を使っていましたが、スチーム式加湿器はそれらと比べると加湿能力は断然上。
「なんでもっと早く導入しなかったんだろう」と思うほど快適な湿度環境を作ることができます。
6畳の部屋で加湿開始から10分で5%上昇。
以降は55~60%を維持しながら稼働していました。
実際に使ってみて感じたのは「目の乾燥が潤った」こと。
というのも毎年、秋口から冬にかけて部屋の乾燥がひどくなり、「目の充血」や「眼精疲労」など目の乾燥による症状が悩みの種でした。
しかも眼鏡掛けのドライアイということもあり、スマホやパソコンを数分使っただけで目が異様に疲れてしまい、作業どころではありません。
象印スチーム加湿器を導入し始めてから以前より目の乾燥が大分マシになり、スチーム式加湿器がある部屋でないと集中して作業できなくなったほど。
ドライアイという症状を根本から治せたわけではないですが、スチーム式加湿器があるとないとでは全然違います。
私のように眼鏡(コンタクト)かけのドライアイの方ならその効果がはっきり分かるかと思います。
ただ、加湿能力が強すぎるがゆえ欠点もあります。
それは「結露」。
起床後に窓を見ると「結露」しています。
部屋の広さ、湿度環境にもよりますが就寝中に連続運転させていると「結露」してしまいます。
ですからシーズン中にフル稼働させると「結露」により窓にカビが生える可能性があります。
もし就寝中に稼働させるなら
- タイマーを活用する
- 「ひかえめ」もしくは「弱」運転推奨
この2つがポイントです。
タイマーを活用する
象印スチーム加湿器には2つの「タイマー機能」が搭載されています。
- 切りタイマー:1・2・4h
- 入りタイマー:4・6・8h
タイマー機能が付いているのはどの加湿器も同じですが、このモデルの便利なところは「切りタイマー」と「入りタイマー」が同時に設定できること。
例えば夜9時に「切りタイマー2時間」+「入りタイマー6時間」を同時に設定させ運転を開始したとします。
この場合、設定から2時間後のPM11:00に一旦運転が止まり、設定から6時間後のAM3:00に運転が再開されます。
「切り・入りタイマー」を同時設定することで湿度の上昇を一時的に抑え、結露によるカビの発生を抑えることができます。
「ひかえめ」か「弱」運転推奨
就寝中は自動の「ひかえめ」もしくは連続の「弱」運転推奨。
というのも、起床後に湿度計を覗くと70%を突破していることが度々あります。
公式による体感湿度は以下のとおり。
運転モード | ひかえめ | 標準 | しっかり |
体感湿度 | 40% | 50% | 60% |
我が家の場合ですと、これよりも15±5%ほど高く加湿されます。
もちろん部屋の広さ、湿度環境にもよりますが、就寝中は「ひかえめ」または「弱」運転でも十分加湿されます。
就寝中に「しっとり」または「強」運転をしてしまうと、タンクの減りも早いですし無駄に加湿される可能性があります。
なるべく「結露」を抑えたいなら、自動の「ひかえめ」もしくは連続の「弱」運転推奨です。
フタを開けて給水するだけ
これまで使っていた加湿器は本体に給水用のタンクが備え付けられていました。
このタイプの加湿器は給水する際、
- 注ぎ口が小さいので水がこぼれる
- 本体からタンクを取り外す、取り付ける
など給水するだけでもストレスを感じていました。
象印スチーム加湿器はふたを開けて給水するだけ。
超簡単です。
しかも注ぎ口がデカいので、給水をするときに水をこぼすといった心配も不要。
タンクの内壁に給水量の目安が印字されています。
我が家の場合は毎回満水まで入れているので、この水位線を目安に給水することはまずないです。
レビュー記事によっては「ふたが開けにくい」なんてことをよく聞きますが、私の場合はそこまで気になりませんでした。
そもそも、ふたを開ける機会なんか給水時かメンテナンス時のみ。
逆にふたが開けにくいことで、お子さんがいる家庭なんかにとってむしろ安全だと思います。
蛇口から水を直接入れたり、流し台に置いて給水するのはNGです。
底面を濡らしたり、本体に水が入ると故障の原因なります。
もしやる場合は自己責任で。
大容量の4Lで就寝中も快適
我が家の使用環境は以下の通り。
使用環境
- 夜10:00~朝6:00
- 切り・入りタイマー併用
- 運転モード「ひかえめ」
平日は基本的に就寝時のみ使っています。
これまで使っていた加湿器は部屋の乾燥がひどいと夜中にタンク内の水がなくなり、運転が止まってしまうことが度々ありました。
象印スチーム加湿器に入れ替えてからは就寝中(夜10:00~朝6:00)も稼働が止まることもなく加湿し続てくれます。
実際に効果を感じたのは以下のとおり。
- 熟睡度が増した
- 目覚めがよくなった
これまでよりも「熟睡度」が増したことで疲労回復に多少なりとも効果を感じました。
また、「肌や目への乾燥度」が以前よりも改善され、目覚めが良くなったことも間違いないです。
4Lの大容量タンクで就寝中も快適な睡眠環境を作ることができます。
湯沸かし音は大きい
結論から述べますと湯沸かし音はデカいです。
運転開始してから10分ほどして「ゴトゴト」とゆっくりと湯沸かし音を出し始め、35分あたりから「シュー」とスチームが開始されます。
設定された湿度に保たれたらスチームが止み、以降は湿度が保たれるようにして都度スチームが稼働します。
ですから常に湯沸かし音がしているわけではありません。
「湯沸かし音で寝れない」なんて口コミをよく聞きますが、実際のところそれは個人差によると思います。
というのも、初めて湯沸かし音を聞いたとき「こんなに音がするの!?」と驚きと睡眠への不安を感じてしまいました。
実際に使い始めてみると、人間不思議なもので慣れてしまうとまったく気にならなくなります。
私はどちらかと言えば生活音は気になるほうですが、生活音と湯沸かし音は別物。
湯沸かし音が大きいことで、それ以外の音が聞こえなくなり逆に睡眠に入りやすい感覚がします。
また、湿度が下がったときのみ加湿されるので、常に湯沸かし音がしているわけではありません。
一度睡眠に入ってしまえばそこまで気になることもありません。
湯沸かし音が気になるという措置として「湯沸かし音セーブモード」という機能があります。
この機能は湯沸かし中の運転音を抑えるというもの。
通常モードは加湿を開始するまで35分かかりますが、湯沸かしセーブモードは45分じっくり時間をかけて加湿をします。
通常のスチーム音に比べ8割ほどの音量といったところ。
気持ち程度というか正直そこまで変わりません。
ですから音に対して極度に敏感な方、睡眠中の音は厳禁という方には厳しいかと思います。
例えば、就寝中の空気清浄機の音さえも気になる方であれば導入は控えた方が無難です。
それとは逆にまったく音気にならない方、ある程度許容できる方には全力でおすすめします。
メンテナンスは超簡単
象印スチーム加湿器が好まれる理由として挙げられるのが「お手入れが簡単」なこと。
というもの、加湿方式によってフィルターの掃除が必要となるモノがありますがこれが超面倒。
フィルターを掃除
- 外す
- 水洗いする
- クエン酸に漬け込む
- 乾燥させる
- 取り付ける
タンクとは別にフィルターの掃除もメンテナンスの度に行う必要があります。
象印スチーム加湿器はフィルターや細かな部品がないので、お手入れの度に何かを外したりといった作業も不要。
湯沸かし用の「電気ポット」を想像してもらえれば分かりやすいと思います。
使用によって水に含まれるカルシウムやミネラル分によってタンク内が乳白色に変色するため、これを1~2ヵ月に1回を目安にクエン酸洗浄するだけ。
洗浄方法は以下の通り。
※公式では泡立ち・吹きこぼれ防止のため、専用のクエン酸(ピカポット)を推奨しています。
step
1コップのクエン酸30㌘を入れてぬるま湯で溶かす
step
2内容器に水といっしょに満水表示まで入れる
step
3電源ボタンを入れ、「クエン酸洗浄(3秒押し)」を3秒以上押す
洗浄時間は環境によって異なりますが目安としては約1時間30分。
step
4本体が冷めたら、プラグ・上ぶたを外し湯を捨てる
step
5内容器を水洗いする
このメンテナンスは定期的に行う必要がありますが、目安としては1~2ヵ月に1回だけ。
フィルターや細かい部品がないシンプルな構造だからこそできる洗浄方法。
これまで「加湿器の掃除面倒だなぁ~」と思いそのまま使い続けることが正直ありましたが、象印スチーム加湿器に入れ替えてからは面倒くさがらずに継続できています。
電気代(ランニングコスト)は高い
スチーム加湿器最大のデメリットと言えば「電気代が高い」こと。
象印スチーム加湿器の電気代は1時間あたり約11円。
実際に計算してみます。
消費電力
- 湯が沸くまで(沸騰まで):985W
- 加湿時(連続運転):410W
湯が沸くまでの電気代
満水(4L)の状態から湯が沸くまで約35分。
このときの電気代は約13円。
※1kWh単価=27円で計算
加湿時(連続運転)の電気代
加湿時(連続運転)の電気代は1時間あたり約11円。
※1kWh単価=27円で計算
参考事例
湯が沸くまでの電気代を除外し、単純に加湿時(連続運転)のみの電気代は以下のとおり。
時間あたり
- 1時間:約11円
- 6時間:約66円
- 12時間:約132円
- 24時間:約264円
1ヵ月(31日)あたり
- 1時間×1ヵ月:約341円
- 6時間×1ヵ月:約2,046円
- 12時間×1ヵ月:約4,092円
- 24時間×1ヵ月:約8,184円
例えば就寝中である8時間、1ヵ月(31日)稼働させたとすると約88円×31日=2,728円。
湯沸かし時の電気代を加味すると、これよりも少し電気代が高くなることが予想されます。
在宅ワークの方なんかは1日中家に居るわけですから、1ヵ月まるまるフル稼働させるとヤバイ金額になります。
口コミでも「電気代が高い」と意見する人も多く、この電気代の高さがスチーム加湿器最大のデメリットでもあります。
ただ一方で、「風邪予防になる」「目や肌の乾燥予防になる」「快適な住環境を構築できる」など、金額に値するほどの価値があるといった意見もあります。
個人的にも確かに高いと思いますが、「缶ジュース1日1本我慢すれば・・・」といったセールトークがあるように、1日単位で考えれた許容できる金額ではないでしょうか。
幼児に配慮された機能
幼児に配慮された機能として以下3つ。
幼児に配慮
- チャイルドロック
- マグネット式プラグ
- 転倒時自動オフ機能
「チャイルドロック」とはキーの操作ができなくなるといもの。
※「入/切」キーを押すと運転が停止
スチーム加湿器を購入した当時の我が子は赤ちゃんでしたが、現在は2歳過ぎの幼児。
この年齢になると好奇心が湧き、やたらスイッチを押したがります。
チャイルドロックを設定しておけばすべての操作が無効になります。
電源コードはマグネット式プラグを採用。
足に電源コードを引っかけてもプラグが「スポッ」と簡単に外れるので、転倒によるケガを防ぐことができます。
使用中に本体を傾けたり、転倒させたときは「転倒時自動オフ機能」が作動します。
「転倒時自動オフ機能」が作動することで、ヒーターへの通電を停止し運転が止まります。
これら幼児に配慮された機能は安心・安全ではありますが、問題なのは蒸気口から出るスチームによって火傷やケガをしないかという点。
蒸気口からは約65℃以下に冷まされたスチームが出ます。
冷まされたスチームとはいえ、火傷やケガの原因にもなりかねません。
一番安心なのは近づけさせないこと。
例えば、柵を設けて物理的に近づけさせないなど何かしら対策が必要となります。
【比較】旧モデルと現行モデル
象印スチーム加湿器はこれまで2回モデルチェンジしています。
- EE-DA50:2019/9/1
- EE-DB50:2020/9/1
- EE-DC50:2021/9/1NEW
1年ごとにモデルチェンジしています。
私が使っているはEE-DA50は発売日から2年以上経過していますがまだまだ現役。
この3モデルの違いは以下の通り。
EE-DA50 | EE-DB50 | EE-DC50 | |
発売日 | 2019/9/1 | 2020/9/1 | 2021/9/1 |
本体質量 | 2.8 | 2.8 | 2.9 |
明るさ切替 | ー | 明/暗 | 明/暗 |
本体カラー | 白 | 白 | 白/グレー |
製品としての機能やタンク容量はまったく同じ仕様ですが、旧モデルと現行モデルの違いは「明るさ切替」と「本体カラー」のみ。
購入に迷ったら「明るさ切替」と「本体カラー」が選べる現行モデルを購入しておけば間違いないでしょう。
あとは「商品価格」。
現行モデル(EE-DC50)と旧モデル(EE-DB50)の違いは本体カラーが選べるか否かだけ。
「本体カラーは白しか選択肢がない」というのであれば、値段が安い旧モデル(EE-DB50)を選ぶのも賢い選択です。
2019/9/1発売モデル
2020/9/1発売モデル
2021/9/1発売モデルNEW
象印スチーム加湿器EE-D50シリーズは買い
象印スチーム加湿器EE-DA50はまさに買ってよかった家電。
2年間実際に使ってみて特に感じたのは「加湿の能力」と「メンテナンスのしやすさ」。
これまでドライアイに悩まされていた乾燥も改善されましたし、何かと面倒な掃除もクエン酸を入れて運転するだけ。
「電気代が高い」とか「湯沸かし音がうるさい」などの口コミを良く聞きますが、快適な室内環境を構築できるなら目をつむれます。
個人的に気になったのは湯沸かし時の消費電力。
湯沸かし時の消費電力は大きいので、その他の家電、例えばオーブントースターやエアコン、電子レンジ、電気ケトルなどを同時に使うとブレーカーが落ちてしまうことも。(今でも落ちることがたまにあります)
もしほかの家電と併用する場合は、消費電力に配慮しなければなりません。
秋口から冬にかけて加湿器は売れますが、この象印スチーム加湿器は売り切れするほどの人気っぷり。
在庫があるうちに早めの購入を検討してみて下さい。